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【資格】

今よりもっとケツが青い頃、正月明けは日本史の教科書に噛り付いていた。
「螺鈿紫檀なんたら」とか、呪文のような言葉を暗記するのに大忙しだったのである。

元来、過去に何がどこでどういう風に起こったか、などという事に全く興味が湧かないタチだったので、それはそれは苦しい日々だった。

「為せば成る 為さねば成らぬ 成る技を成らぬと捨つる人の儚き」

受験を迎える頃には頭の中でページをくる事が出来たから、人間の潜在能力には驚かされる。

当然の事ながら、にわか仕立ての教養がお脳に留まる筈もなく、入学と同時にきれいさっぱりどこかへ飛んで行ってしまった。
詰まっていた物がたちどころに消えてしまうのだから、見事としか言い様が無い。

10年近く前の今頃も、或る国家試験を受ける為に念仏を唱えていた。

「事業者はぁっ、本邦外の地域に6ヶ月以上ぅっ、派遣した労働者を本邦のぉっ、地域内における業務に就かせる時ぃ~っ...」

それで有り難い免許を頂戴してしまうと、リセット・ボタンを押したかのようにクリアされてしまって、元のぼんくらおやじである。

自分がそうだから他人もそうに違いない、と思い込むのは卑しい根性だけれども、つい邪推する。

医者や弁護士など、資格を要する職業の方々は、どうやってその能力を維持出来ているのであろうか?

「免許証」は「試験に合格した」というくらいの意味しか持たない筈である。
「試験に合格する」くらい「かつて勉強した」事なんぞに意味は無い。
技能のメンテナンスは大変であろうと同情する。
by himesika | 2009-01-08 22:54 | 駄文 | Comments(0)