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【鍋】

ぼちぼち鍋が美味しい季節である。

先日、たまたま帰りが遅くなって一人で豚シャブの残りを食べる事になった。

「しゃぶしゃぶはギュウでないと...」
ブツクサ言っていると、
「そう言いながら嬉しそうだよ」と家内。

我が家ではシャブシャブの時、お肉以外は土鍋で別に煮ておく。
それを胡麻だれとポン酢で別々に戴くので、見た目も賑やかになる。
「贅沢な気分だ、ははは」

鍋の独り占めは滅多に出来るもんじゃない。

宴会の席となると、「鍋奉行」やら「鍋代官」やらが出て来てうるさい。
材料を入れる順番や時間を一々講釈垂れて命令する。
本当にそれほど難しいのならば、横で世話する人が鍋と一緒に付いて出てくるもんだという事が判らないのだろう。
適当に放り込んで蓋をすれば、後はビールを飲んでニコニコしてりゃ出来上がるのである。

そういう面倒臭がりの私が、すき焼きだけはコンダクターになる。
割り下を使わないので家内なんぞには出来ない芸当だ。
砂糖、醤油に酒と水、この加減が難しい。
材料、特にお肉の量が心細い時は甘めにする。
食い付きはいいが続かなくする為だ。
「美味しいけど、もういい」と来れば作戦勝ちである。

グラム千五百円くらいの極上のお肉の場合、煮込まずに野菜の上に乗せるように入れる。
時間稼ぎ作戦であるが、あまり成功しないし、第一、千円以上のお肉はなかなかの事にやって来ない。

などと考えていたら食いたくなったので、師匠である親父に電話した。
「今度行くから鍋を食わしてくれ」
「よし」

後日、一家で出掛けてみると、昼過ぎだと言うのに鍋から湯気が出ている。
ぴょん子が「お肉!」と言い掛けたので、
「こんなん連れてやってまんねん」

覗いてみると、湯豆腐。
by himesika | 2008-10-23 23:16 | 駄文 | Comments(0)